今までのFFシリーズは、まずストーリーや設定を考えて、それを成立させる舞台をデザインしていました。しかしFF15では、まず物語の舞台となる世界をつくり込んでから、設定やストーリーを練り込むことに。世界観にもリアリティを吹き込むため、今までと逆の手法を取ったんです。
作業は、大陸を設計するところからはじまりました。FF15のコンセプトは「旅」。では、主人公たちが旅する世界とは、一体どのような場所なのだろうか。「気候はどのようなものか?」「湿度はどれくらいか?」「風向きは?」「海流は?」ホワイトボードにさまざまな要素を書き出して議論を重ねるうちに、大陸そのものの成り立ちを考えるところまで行き着きました。
チームメンバーで博物館に行って、知識を蓄えたりもしましたね。その後、みんなで粘土をこねくり回しながら大陸の設計図となる模型をつくったんです。「この凹みは何だ?」「これはきっと過去に隕石が落ちたんだよ」などと話しながら、世界そのものの歴史と物語を少しずつ形にしていきました。それがやがて主人公たちのストーリーと重なり合い、FF15の世界観が完成しました。
FAINAL FANTASY XV アートディレクター