プレイ中は分かりにくいかもしれませんが、ゲーム内に出てくる広告や看板も細部までつくり込んでいます。たとえば雑誌裏の広告は、グラフィックはもちろん、バーコードの位置にまでこだわって制作しました。リアリティを追求しているゲームだからこそ、ディテールに手を抜いて“つくりもの”っぽくなるのが嫌だったんです。一瞬たりともユーザーの気持ちが冷める瞬間を与えたくなかったので。
そういった細部へのこだわりはゲームのなかだけに留まりません。制作の初期段階では、スタッフ向けの共有資料を雑誌風にして、制作チーム内に配布していた時期もありました。その名も「ウィークリー・ブラック」(笑)。書類で読む資料ってなかなか頭に入らないので、それならいっそ雑誌形式にしてシナリオやキャラクターをチームメンバー全員に覚えてもらおうと思ったわけです。
その雑誌にもゲーム内で実際に出てくる広告を掲載していました。それがスタッフにFF15の世界観を伝えるツールとして、とても役に立ったんです。ユーザーも、ゲーム内の広告や看板を観察すると「この世界では今こんな商品が流行っているんだ」とか「あの建物はこの企業の所有物だったのか」など、おもしろい発見がたくさんできると思います。特に小ネタ的なものを見つけるのが好きな人は、そうした細部へのこだわりにどっぷりハマってもらえればと思います。
FAINAL FANTASY XV アートディレクター