主人公ノクトたちが乗る“レガリア”は、旅の重要な移動ツールであると同時に、5人目の仲間のような存在。一つのキャラクターとして、存在感を立たせなくてはいけないと考えていました。
特にレガリアは、ノクトが父であるレギス国王から受け継いだクルマですから、見た目の威厳、“高級感”は何よりも重視しなければいけません。ディレクターの田畑からも「パッと見で6000万円以上のクルマを目指してくれ」と具体的なオーダーがありました。そこでまず、実際の王族が乗る高級車がどういうものかを知る為に取材をしました。
そこでわかったのは、王室の車は「威厳とエレガント」という相反する要素の集合であり、造形は重厚でありながら徹底的にシンプルで精緻だということ。ボディにこれ見よがしな複雑なラインがなく、素材と仕上げの巧みさで奥深さを出し、子どもっぽさを排しています。また見た目だけでなく、外から見たときに乗っている人の姿勢が美しく映るようシートが設計されていたり、ワインを適温で保冷する装置を備えていたりと、機能面での心配りも素晴らしい。それでいて見た目の重厚さとは対照的に、走りはスーッと軽やか。あらゆる面でガサツなところがなく、徹底的にエレガントなんです。作中のレガリアの造形や挙動にも、そのときの体験と観察が生かされています。
また今作は、自分のクルマとして愛着を持ってもらえるよう、カスタマイズのバリエーションを豊富に用意しています。また、200曲以上のFFシリーズの名曲が聞けるオーディオなど、ドライブをより楽しめる工夫も。レースゲームのようなスピードを競うクルマのゲームではない。しかし、クルマもプレイする楽しみの一つになる。そんな仕上がりになっています。
FAINAL FANTASY XV アーティスト