テクノロジーの発展によって映像表現がどんどん進化するなかで、史上最高のFFをつくろうとなった以上、召喚獣のリアリティにもこだわり抜きました。今回の召喚獣は人智を超えた神のような存在をイメージしているのですが、それと同時に、実在の生物のように現実感を伴った造形も意識しています。
しかし、これまでのようにイラストからCGを起こしていく手法では、どうしても求めるリアリティラインに到達できなかった。それならば、実在する生物にヒントを求めてみようと。たとえばリヴァイアサンをつくる際には、まず制作チームで築地に行って、理想とする形状イメージに近い魚を探してみました。特に参考になったのはタチウオやサヨリ。写真を撮ったり切り身をスキャンしたりして、エラの構造やウロコの質感、さらに表面の光の反射など、ありとあらゆることを調べました。他にも頭部の一部はトビウオ、歯の形状はアナゴ、顎の構造はウツボ、胴体にはアジのゼイゴ(ギザギザしたウロコ)部分など、さまざまな魚のパーツを参考にしています。
これら各パーツがつぎはぎになるのではなく、一つの生物として有機的なまとまりが出るよう心がけました。たとえばヒレの可動率は厳密に数値化されており、現実に近い動きとなるように設計されています。作中でリヴァイアサンと対峙したときに「現実世界にリヴァイアサンがいたら、きっとこんな感じだ」と、圧倒的な存在感を感じてもらえたら嬉しいですね。
FAINAL FANTASY XV アートディレクター